確かに不慮の入院といえばいつ起きるか分かりません。
そんな危険を怖がる気持ちも自然なものでしょう。
そしてそんな不慮の事態にスピーディーに対応してくれる保険を選びたい、という気持ちも当然のものだと言えます。
ですが、そうした不慮の事態というのはそうそう起こるものなのでしょうか。
そんなに「自分は入院するから初日支給がお得だ」と考えるのは現実的なのでしょうか。
意地悪な質問かもしれません。
ですが、憂いに備えるための保険だからこそ今一度冷静に考え直してみる必要があります。
入院初日からお金が支給されることよりも、もっと大事なことがあるのではないか、と。
例えば、たった一日や二日入院した場合でも「入院初日から支給」はお得と言えるでしょうか?
もちろん入院の費用はかかりますが、短期的に見ればダメージであっても長期的に見れば家計を大きく揺さ振るほどのものとは決して言い切れません。
むしろこうした短期的な入院が重なれば、保険に設定されている「通算限度日数」を消費してしまう可能性が高くなってきます。
「通算限度日数」とはその名の通り、のべ何日入院しそれに対して保障されたかを表す数字です。
この日数を使い切ってしまえば長期入院が必要になった場合、途中で保障が打ち止めになってしまう可能性も高くなります。
入院した場合本当に大変になってくるのは長期入院の方ではないでしょうか。
職場や家庭の環境を大きく変えてしまいますし(最悪の場合それまで勤めていた会社に戻れなくなるという事態にもなりかねません)、入院費もかさんできます。
もちろん初日から支給されて長期入院にもキメ細かく対応してくれる医療保険があればそれに越したことはありません。
ですが、なかなかそういう保険は見つからないものです。
一つだけ改めて確認しておかなければならないのは、どういうリスクがより現実的に起きやすいか、ということです(もちろん短期入院を繰り返しがちなことが想定される方にとっては初日から支給される保険が心強いこともまた確かです)。